「みこまつり」あとがき

「みこまつり」読んでくださってありがとうございます。

まだ読まれていない方はこちらからどうぞ。

https://nazuna-piyopiyo.amebaownd.com/pages/7201102/page_202308141503


もうよく分からない話になっていますので、台本全体・村・すず・鈴子の順でさらっとした解説を書いていこうと思います。すずを演じる場合の注意事項もここに併せて書かさせていただきます。


*台本全体

長い!!!!!!!

本当に申し訳ないです。読み物として扱って、気が向けば演じてくれたら嬉しいなってそういう心境で上げています。

とても嬉しいことに、声劇はやらないけど読んでくださる方もいらっしゃるのが救いですね

。でも聞けたら本当に嬉しいです。

もう前後編でわけるなり、休憩挟むなり、お好きになさって大丈夫です……。


この台本はアンケートを取った際に「因習」「シリアス」が最も多く、夏はやっぱり因習かなと思い書き始めました。

七つまでは神様の子。

これは元々ある「七つ前は神の内」ということわざから取ったもので、七つという数字はいれたくて、こんな形になりました。ずっと書きたいなあと思っていました。

好き放題書くことができて楽しかったですが、長いですね。悲しい。

読むのが大変なので読んで!とは言えませんが、もしも読まれた方いらしたら感想などいただけたらとてもとても嬉しいです。




*村について


山間にある小さな田舎の村。

大昔に飢饉に苦しみ、悩んだ挙句、口減らしに手を出しました。

奉公に出すのではなく、死による口減らしです。

ですが、そう簡単に自分の子供を手放さない者や心を病む者も現れたことにより、あの伝承が生まれました。「七つまでは神様の子。



神様の元に帰るのは良いことだと、光栄なことだとそう考えてもらうことで、罪悪感を薄れさせようとしたのでしょう。

七つまでに口減らしによって死ぬかもしれない子に名前を与えてしまうと、情がうつってしまう。だから、名前を付けるのも禁じられました。

ですが、何人もの命が奪われたのち、それらはとてもとても大きな怨霊になりました。

寂しい寂しい思いをした怨霊に歳の近い七つの子を生贄に差し出す。

寂しい思いをした子供たちにとっては嬉しいでしょうね。そして、またその子も怨霊に取り込まれる。それで、また寂しい寂しいと新しい生贄を求める。


そして長いこと生贄を求められることも、祟りも起きなかったことで、伝承は形を変えて今に至るといった感じでしょうか。


・「七つまでは神様の子。神様の子はみこまつりによって神様の元に帰る。それはとても素晴らしいこと」


・「幼子の形をした神様が退屈しないように、村では七つになった子を一人神様の元に帰す。帰さなければ、神様は村を祟ってしまう。祟られてしまえば、村人は病で再び倒れてしまう。帰せば、神様は村と子供を守ってくれる。

みこまつりは神様の元に七つの子を帰すまつりのこと」


・「昔々、作物が不作で、満足に食事もとれず弱って病気になって、多くの人が亡くなった。子供もみんな七つまでには死んでしまい大変だったけど、ある時神様が助けてくれた。

そんな神様に御礼を伝え、人の子に戻るのが神子祭り」


鈴子が周りと接することができなかったのは、村人が生贄にしようと考えていたからです。求められてないけど、一応出しとけばまた期間が延びるみたいな考え方ですかね。

設定としては、真実を知ってるのは村の重役や高齢の方だけなので、周りと仲良くなってしまうと色々とめんどくさいので、誰とも話せませんでした。

村の子供を差し出すのは心苦しいけれど、身寄りのない子供ならやりやすいとでも思っていたのでしょう。

人間って怖い


*すずについて

口減らし、そして生贄の子供たちの集合体。

鈴子にすずという名前を与えられたことで、形をもらったみたいなイメージです。

大人になってから鈴子は最後あたりまで名前を呼んでいないんですね。

もしかしたら、最初の方に名前を読んでいたら何か変わっていたかもしれません。

?はもう本当にいろんな思いや思考が混ざった何かです。


すず自体は15年前の時点で、鈴子をこんなところに引きずり込みたくないと思っています

。だけど、やっぱり一緒にいれたらいいなあという思いがあるため、鈴子の名前を呼ぶことができませんでしたし、約束ごとを取り付けたのです。

でも、すずはもう鈴子が来なくてもいいとやせ我慢ではありますが、そう思いながら15年間耐えていたんだと思います。頑張って、すずという形を取っていたんでしょうね。

それにもう誰も引きずり込みたくないというのは本心なので、村人がなにもしなくても祟りは起きませんでした。

それなのに、鈴子の育ての母が自分たちと同じように死ぬわ、もう耐えると決めていたところに鈴子が来るわで、耐えられなくなったんでしょう。


でもすずは優しい子です。それは鈴子からの影響なのでしょうが、最期はちゃんと見送れてよかったねと思います。


今もあの子は山奥の寂れた神社で泣いているのかもしれません。


演じる上での注意事項なのですが、まず一つ目、少年への変更に関してです。

一人称に関してですが、すずは鈴子を真似てできているので一人称を”わたし”にしてあります。少年の場合、”ぼく”に変えたい場合は変えていただいて構いません。

語尾に関しても、大きな変更でなければ変えていただいて大丈夫です。

もし、なにかこれはどうかな?など疑問に思うことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

二つ目です。

集合体なので、すずが少し不安定な場合や?の場合、喋り方をころころと変えています。

ですが、声や喋り方を変えるかどうかお好きになさっていただいて大丈夫です。

いろんなすずが聞けたら作者としてはとても嬉しいです!


*鈴子について

この子に関してはモノローグで大分心情を語っているので、あまり書くことがありません。

15年前の祭りの後、鈴子は急に帰ってきたおばさんの娘に連れ去られるような形で村を出ることになります。

この母さんなのですが、村を出てあの村が、ものすごくいかれていることに気が付いて、自分の親が引き取った親戚の子供を助けにきてくれたのです。すごい。

親とも仲悪く、当てつけもあったのかもしれませんが、おかげさまで鈴子は普通の子と同じように育てられ、あたたかくて優しい場所で大きくなることができました。

でも、鈴子が家を出たのち、村から呼び出されて鈴子に害が及ばないよう進んで贄になることを選び、亡くなってしまいました。弱って、亡くなっていく様をすずは傍で見守っていたと思うとしんどいですね。

寂しくなって、すずを頼ってきたのに怖いから逃げて、でも結局帰りたいという形を取っているのでなかなかにお子様な考え方をする子だなと思っているのですが、これはきっとまだ自分が与えられる側と思っているからだと思っています。

すずの言葉を聞いて、与える側になっていくのかな。

両親や母さん、そしてすずから与えられたものを大切に、自分も誰かに与えてほしいですね。あたたかくて優しい愛情たっぷりの場所をつくってほしいですね。



ここまで読んでくださってありがとうございました!

冒頭でも書きましたが、感想などtwitterのDMやメールなどでいただけますと大変励みになります!

以上、なずなでした。

薺箱

ー薺箱ー なずなが創作した 物語が詰め込まれた箱

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