「雪戀ふ椿」あとがき
「雪戀ふ椿」を読んでくださりありがとうございます。
まだ読んでいない方はこちらからどうぞ!!
こんばんは!なずなです!
twitterにも載せたように3年目に入って初めての作品です。
「戀し春」「秋色の戀に蜜色の口づけを」に続く明治大正女學生サシ劇台本。
今回は冬を舞台に書きました。
最近は長いお話ばかりだったので、戀し春と同じぐらいの文量にしようと心がけました。
ちゃんと書けているかとてもとても心配。
毎回、当時の空気感を出せているのか不安になりますね。
空気感を出すために当時の雑誌や本を読み漁りました。
この作品を書くにあたり、台本ページにも書いた本を参照したのですが、すごい内容でしたね。今なら大問題になりそう。
結婚できなければノンセンスな無意味な存在になるなどなど……。
当時は大変だっただろうなあ……と。
冬の夜の
赤い椿は雪の中でも美しく
白雪はどこまでいっても清らかで
雪のなか、椿の花を愛でては願ふ
戀心よ、雪とともに溶けておくれと
されど、椿は散りゆくなかでもにほゐけり
消えゆく雪は姿を変えて残りゆく
乙女は椿に頬寄せて
乙女は雪に唇寄せて
秘めたる戀は胸の内
戀ひ戀ふふたりのよすがにと
戀ひ戀ふふたりのかたみにと
なにが大変だったって上の詩ですね。
まったく詩の才能がなくて、途中でやめようかと思いました。
当時の詩も読んだりしたのですが、ちっとも書けやしない。
無理くりつくりだしました。言葉馴染みがよければいいかなと。
静子と冬美。
どちらとも重たい戀心を持っているとは思うのですが、冬美の方が諦めがついていると思います。この時代にそして女に生まれてしまったからって。
でも、本当に静子さんのことが好きで、妻として母として強く生きて行くのでしょうけど、ずっと心の奥底の誰にも触れられることもない場所に恋心をしまって大切にするんだと思います。
そんな冬美なので、最後の詩で“かたみ”という言葉になっています。
逆に静子はこの思い出に頼って生きていきそう。
家柄も容姿も恵まれた静子にとって、まっすぐ自分のことを見てくれる冬美は珍しい存在であり、そして心惹かれる存在だったのでしょう。
きっともう二度とそんな人には出会えない。そう思い込んで周りを見なくなりそうで怖いなって。でも、課せられた使命を彼女は果たすでしょうから良い妻、母であろうとするんだろうなって。本心はどうなっているか分からないけれど。
そんな静子なので“よすが”という言葉になっています。
最後、雪に寝転んだ状態なのでこのまま死にそうですが、私の中ではちゃんと生きて居ます。ただ、妻でも母でもない少女としての二人は死ぬのかもしれませんね。
なんて、それっぽいことを言ってみました。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
twitterにも2周年ということで感謝を述べてますので見てくださると嬉しいです!!
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以上、なずなでした。
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