「優しい春に名前を付けるとするならば」あとがき
「優しい春に名前を付けるとするならば」を読んでくださってありがとうございます。
まだ読まれていない方はこちらからどうぞ。
白昼夢だったのか、何だったのか、分からないけど確かに存在する優しい春の話でした。
春ですね。 寒い日もありますが、道端で見かける草花を見ていると春だなって思います。
あとがきを始める前に注意事項です。 この作品全体、そしてあとがきにも言えることなのですが、これらは個人の考えなのでおかしいだろうと思われる方がいても当たり前です。
そういう考えもあるよねって優しい気持ちで見ていただけたらいいなって思います。
➀書いたきっかけ
②キミと神様・あの世界について
➂まとめ
➀書いたきっかけ
Xでもポストしたのですが、「金木犀の下で」「吐息を泳ぐ魚たち」と最近出した台本が少し暗いお話だったので、優しい話を書きたくて書き始めました。
優しい、なんか掴みどころのないふわふわとした話が書きたかったのですが難しかったです。
今回本当に本当に悩みました。
前回の台本とは異なり、そんな何となくのきっかけで書き始めたものですからあまりにもあやふやすぎて。 普段なら人物の設定や世界観を考えるのが好きなのでギューギューに詰めるのですが、今回はふわふわとしたお話を書きたかったので、そこまで細かく考えずに書き始めました。
だからなのか、プロットを組んで、書き始めて、気に食わなくてプロットを組み直して、書いて、やっぱり直してを4回ぐらい繰り返しました。
あまりにも悩み過ぎると、登場人物たち話している内容が全部おかしく見えてくるんですよね。
そもそも概要を考え始めた時点でお話自体、あまり面白くはならないだろうなって思いやめることも考えたのですがやっぱり書いてしまいたくて何とか形にしました。
最終的に演者様方にご協力いただきまして台本テストを行い、公開するかしないか考えた結果、公開することにしました。
なんだこの話?って思われるかもしれないけど、誰か一人でも好きだなって思ってくださったらラッキーっていう精神で台本を掲載しているので、誰かの心に何か残すことができたらいいなって思っています。
②キミと神様・あの世界について
*キミ
あまりにもダメな自分に疲れ、窓から飛び降りて死のうとした女性です。
本当は記憶を取り戻していく中で、いくつでどんな生活をしていて、何があったのかも細かく話に出そうかと思っていたのですが、話にあまり関係ないなって思ったのでやめました。
それはもう読んでくださった方の想像にお任せします。
作品の中で出すのは、彼女のことを優しい子だという人も、ダメな奴だなって思う人もいたんだなってことぐらいだけでいいかなって。
彼女のことをダメな奴だって言った人たちが何に対して駄目だと言ったのかは分かりません。
もしかしたら、彼女は仕事などであまりテキパキと動けないのかもしれません。 もしかしたら、少し理解力が乏しかったのかもしれません。 何があったのかは分かりませんが、彼女は作中でも言っていた通り、それに対して努力をしてきました。
でも、上手くできなかったのです。
それか上手くできていたのかもしれませんが、周りの顔色を窺いすぎてやっぱり駄目なんじゃなかろうかと考えてしまったのでしょう。
そんな中でも、彼女は周りに心配かけたくなくて、大丈夫だよって笑っていたのかもしれません。 そんな日々に疲れて彼女は死のうとしました。
自ら命を絶つっていうのは、頑張ってやる人もいると思うのですが、彼女みたいにあたかかい春の日に青空をみて、ああいいやってなってふらっと命を絶つ人だっていると思います。
ふとそう思ってしまうほどには疲れていたのでしょう。
そう思ってしまうほどに頑張っていたんだと思います。
そして、彼女は優しい世界に飛ばされました。(この世界に関しては、神様の項目で触れます)
名前も記憶も忘れ、子供の姿になった彼女は優しい神様と暮らすことになりました。
その中で神様は彼女に生きにくいと感じる理由を与えます。
神様は彼女に優しいから生きにくいんだと言いました。
自分語りになってしまうのですが、私の身内に臨床心理士として働いている人がいます。
その人になずなちゃんは生きにくい人間だと思うよって言われたことがあります。
難しい言葉が並んでいたので忘れてしまったのですが、○○はかなり高いけど、××は低いみたいなことを言われて。 その後に言われた、”知能が低くない分、自分ができないことも、周りができてないなこの子って思っていることも気付いてしまうから生きにくいと思う”っていう言葉を覚えています。
私自身適当な人間なので、あまり深く考えずに楽しく日々を生きているのですが、自分は出来が悪いんだろうなあって思ってはいるので、これを言われたときに何か少し楽になりました。
それが正しいか、どうかは最早どうでも良くて、自分が少しでも楽になれるなら良いのかなって。
彼女もこれで少しは楽になったらいいなって思います。
そして、自分を駄目だという声で隠されていた優しさを大切にしてくれたらいいなって。
作中でホットミルクを飲んでいるシーンがあるのですが、私が7歳ぐらいののときに母が夜にココアを淹れてくれた時がありました。 妹たちは既に寝ており、私ももう寝なさいって言われると思っていたのに、ココアを淹れてくれて一緒に飲んだのが嬉しくて、今でも覚えています。 私の大切な大切な思い出の一つです。
両親からは今も昔もたっぷりの愛情をたくさんもらっていますが、そんな小さな思い出が今でも支えになっていたりします。
彼女も誰かにホットミルクを淹れてもらって一緒に飲んだ大切な思い出があるのかもしれません。
その思い出が家族との思い出かどうかは分かりません。
両親からの愛情を生まれてきた命はみんなたっぷりと注がれてほしいと思っていますが、そうもいきません。 当たり前のことであってほしいけど、当たり前のことではありません。
もしも、彼女が両親や家族から愛情を貰っていなかったとしても、誰からも愛されていないということにはなりません。
他にもきっといろんな優しさや愛情を何気ない形でいろんな人から貰っていたはずです。
作中ではあまり出せなかったのですが、彼女はとても優しい子です。
人の見ていないところでも優しさをいろんなものに与えていたんだと思います。
そんな人にはきっと優しさが返ってくると思うから。
自分の優しい気持ちも貰った優しさも大切にしてくれたらいいな。
もう一度書きますが、この作品全体、そしてあとがきにも言えることなのですが、これらは個人の考えなのでおかしいだろうと思われる方がいても当たり前です。
他にも、彼女のことを甘えているだとか、もっと辛い人もいるだとか思われる方もいるかもしれません。
他にもたくさんあるかもしれませんが、これは神様とキミの優しい話なので、作中では否定意見は出てきません。 優しさ=肯定だとは思わないのですが、今回の彼女に関しては彼女を思っての意見よりも肯定を優しさと捉えるのではなかろうかなと思いながら書きました。
そういう考えもあるよねって優しい気持ちで見ていただけたらいいなって思います。
*神様とあの世界について
神様の正体は、あの世界は、一体何だったと思いますか?
本当に全部白昼夢だったのかもしれません。 彼女が作り出した世界だったのかもしれません。 でも、もしかしたら本当に神様が作り出した世界だったのかもしれません。
神様も神様ではなかったとしても、本当に存在していたのかもしれません。
優しさは心を形づくるもの。
彼女の優しさをもらった何かが、それとも優しさ自体が心を宿したのかもしれません。
それらはもう読まれた方の想像にお任せします。
なので、正直あまり書くことがありません。
一人称は僕ですし、口調も女性らしさはあまりないのですが不思議な存在なので不問です。
終盤に大人に戻ったキミをおんぶするシーンがあるのですが、それでも不思議な存在で不思議な世界観なので不問です。
テスト時に男性も女性もお聞きしましたが、それぞれ違くて素敵でした。
ただただ、神様は優しい春のようなキミの幸せを願っている存在です。
そして、彼女にとって確かに春の優しさのような神様は存在していたのです。
➂まとめ
優しい話を書きたいだなんて書き始めた作品ですが、優しいかどうかは分かりません。
難しいですね。優しさも個々によって違うから。
こんなことを考えてたから、思ったよりも書き終わるまでに時間がかかったんです。
でも、自分なりにいろんなことを考えれて楽しかったです。
前にも書きましたが、このお話を読んでくださった方の中で一人でも心に何かしら小さな優しさを残せればいいな。
4月になり、環境が変わったり、新しいことを始めた人も多いかと思われます。 疲れてしまうこともたくさんあるとは思いますが、自分のことを大切になさってくださいね。
どうか皆さまが素敵な日々を送れますように。
どうか皆さまが幸せでありますように。
以上、なずなでした。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
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