「Portrait de Cendres」あとがき


「Portrait de Cendres」を読んでくださってありがとうございます。 まだ読まれていない方はこちらからどうぞ。




箱庭であり、墓地であり、懺悔室であり、男が創り出した劇場の話でした。


➀書いたきっかけ 

②演じる上での注意点

➂物語の舞台と人物について

④まとめ  




➀書いたきっかけ 


・その1「「外国を意識したものを書いてみたい」

今まで外国を意識した台本を書いてきませんでした。

舞台が日本ではない台本は、「王と死神」「アストロメリアにさよならを」「アストランティアに願いを」と3つあるのですが、どちらかというと、違う世界の物語だという風に考えています。


今回、作中にはよく分からない文章がたくさん出てきます。

これは結果的に、よく分からなくなってしまったもので、本当は海外での皮肉などが込められた言い回しが書きたかったんです。

そういったものが好きでいつか自分でも書いてみたいと思って、こつこつ考えては、思いついたものをメモして集めてきました。

でも、難しかったです。

ただでさえ、日本語が怪しいのですから当たり前ではあるのですが、よく分からない文章になってしまったような気がします。

登場人物である男が、言い方は悪いのですが、おかしな人である、変わっている人であるという設定だったので、まあ分からなくてもいいかなって開き直ることにしました。

私の中ではどれも意味があるのですが、書いた本人が分かるのならまあ、いいかな、いいよねみたいな。

男だってきっと周りから理解されるような人間ではなかったのでしょうから。

そんな言い訳を今もこねくり回しています。こねこね。


・その2「写真家と写真を撮られる側の関係性のお話を書いてみたい」

これはもうずっと考えていたのですが、中々話が固まらず、書けずにいました。

今回、上記に書いた言葉集めが結構集まったことにより、舞台を外国にし、お話を固めていきました。

ラブストーリーもあまり書いたことがないので、そういった方向性でと思っていたのですが、純粋な綺麗なラブストーリーにはなりませんでしたし、人によってはラブストーリーだとは思えないと思います。でも、一応ラブストーリーなんです。一応、おそらく、たぶん……。


・その3「動画を久しぶりにつくりたい」

今回、動画をつくるために夫に頼んで録音してもらいました。

以前の進捗にも書いたのですが、夫は声をつかった活動はしていません。

でも、とても素敵な声をしていると私は思っているので、何度か頼んで短いセリフを録って、動画に使ったことがあります。

どなたかに録っていただいて、動画をつくるのはかなりハードルが高いです。

そもそも今回の動画もそうなのですが、構成を考えてからつくるとかではなく、特ににも考えずに作り始めました。

そのため、とりあえず夫には起承転結の起まで録ってもらい、そこから抜き出して紹介動画にぺたぺた切り貼りして、使いました。

以前、二度ほどお声がけやら募集をしたのですが、その際はかっちり決めて募集をかけたため、あまり長いセリフをお願いすることはできませんでした。

動画はあまり作ったことない素人の遊び程度のものだし、センスないしで、ご協力いただくのも気が引けるし、録っていただいたのに一部使わないだなんてことも申し訳ないし、追加で何か頼むのも申し訳ないしで、なかなかできていません。

そういったことからも、気軽に録ってってお願いできる夫の存在には助けられています。

ほぼ断られるのですが、今回は以前の進捗でも書いたように、頑張って親知らずを抜いたのでね……!!

いつかこんなものでも、またご協力くださる方を募って作ってみたいですね。


勿体ないので、紹介動画とは別に録音データに字幕だけをつけたものをYoutubeに上げました。

紹介動画はXとYoutube、録音データに字幕をつけたものはYoutubeにありますので、ぜひ、見ていただけたら嬉しいです。


きっかけとしては、こんな感じなのですが、あまり書いたことのない雰囲気の台本ですし、なにより大変読みにくいし、話の内容が???って感じなので、またいつか似た雰囲気の台本を書けたらいいなって思います。

でも、色々考えれて楽しかったです!




②演じる上での注意点


どちらの役も途中で役名が変わります。

男は写真家や司祭に、女は?に変わりますが、どちらも声などは変える必要はありません。

写真家も司祭も男は男ですから、変える必要はありません。

女に関しては、最終的に本人ではなく、男が創り出したものだと明らかになります。

こちらも女の皮を被ったものではあるので、雰囲気は変わっても、声を変える必要はありません。

だったら、役名を変える必要はなかったのですが、台本ではなく、読み物として読んだときに役名が変わっていた方が楽しいなって思ったので、変更しています。

台本として読まれる演者様にも、読み物として読んでくださっている方々にも、素敵なものをお見せしたいなって思ってはいるのですが、難しいですね。





➂物語の舞台と人物について


*物語の舞台

物語には大きくかかわってきませんが、舞台は1950年代のヨーロッパを意識しています。

どこの国かは特に考えていません。

フロイラインはドイツ語ですし、題名はフランス語(ちなみに題名は、灰の中の肖像、灰の肖像みたいな意味合いです)ですし、他にもいろんな国を考えていたので、もうごちゃごちゃですね。

作中にはあまり出てきませんが、カメラに関しては1930年代のフランスの写真館でよく使われていたスタジオ用の大判蛇腹カメラを想定して書いています。

カメラもたくさんありますね。

製造や、写真の撮り方、そしてカメラ自体の進化を調べましたが、とても興味深かったです。



*男

まるで自身は女が創り出した偶像かのようにふるまっていたのですが、実は全て男が創り出していたものでした。

男は写真家です。

作中には出て来ないのですが、とんでもないハンサムで、そしてとんでもなくおかしな人間という設定から始まり、そこから色々と決めていきました。

美しい写真を撮る男の元には、多くの人が押し寄せました。

もちろん、男の見目に寄った人々も多くいたことでしょう。

大金を積めば撮ってはくれますが、男はさぞかしうんざりしながら撮っていたとは思います。

男が撮りたいものは、自分が美しいと思ったものだけです。

そんな男が女を見て、美しいと思った。

作中で彼は色々と言い訳を口にしますが、本当に色々とそぎ落としていってしまえば、一目ぼれだったのかもしれません。

女の瞳に浮かび星々と月を見て、彼は美しいと言ったのです。

これはもう恋でしょう。

恋だなんて呼ぶにはあまりにも未熟で歪んでいますが、なにか言葉を当てるのであれば恋です。

男にそれが理解できれば良かったのですが、難しい話です。

女が自身に思いを寄せていると聞かされた男は顔を顰めて、写真を撮ることを断ったのでしょう。

もしかしたら、口汚く罵った可能性もあります。

それはきっと自分の中で整理ができない感情だったからなのかな、と。

普通なら嬉しいはずなのですが、恋というものを理解できないからこそ、不快であるという感覚にいってしまった。

彼が理解するにはかなり長い時間が必要でしょう。


男の見た悪夢の話ではあるのですが、作中の女が口にする言葉は本当に彼女が言ったものがほとんどです。

なにが本当で、なにが嘘かは明確には書きませんが、ほぼ真実です。

女に写真を撮ることを頼まれ、男はそれを断りました。

女の本心を聞いても男は撮りはしませんでした。

そして、女は命を落としました。

本人は全く自覚はない、もしくは見て見ぬ振りをしているのですが、あの時、断らなければよかったと思っているはずです。

だからこそ、この夢の中で男は引き受けているのでしょう。


最終的に、男は自身も馬鹿であると認めているので、自分の矛盾している点を見て見ぬ振りはできなくなっているとは思います。

遺骨を家族にそこそこの額を支払って、引き取っているぐらいですからね。

そこまでの執着心を持っているだから、これはただただ興味だなんて言ってられません。

そして、その骨を見ても美しいとは思えなかった。

彼は、彼女自身を美しいと思っていたのだから。


いつか旅路の果てで女に会えたら、男は一体何を口にするのでしょう。


秋と霖のあとがきでも書きましたが、芸術家の男は歪ませたくなります。

これはもう仕方ないのかもしれません。



*女

まずは本当の女から。

作中ではあまり出せませんでしたが、とても不憫な子です。

家はまあ周りと比べれば裕福なのかなといった感じなので、貧しくはなかったのですが、優しくてあったかい家族愛とかはなかったと思います。

女はフロイラインと男から呼ばれている通り、未婚の若い女性で、当時彼女にはどう考えても不幸になるしかない相手との結婚話が出ていました。

そんなこともあり、あの日、水路に身を投げようとしていたのです。

彼女のこういった話を作中に出すか迷ったのですが、話がごちゃごちゃしそうだったので、あまり幸せではない子ということだけが伝わればいいと考え、省きました。

生きる気力を失った人間を美しいと考え、声をかけてきたんだと女はずっと思い続けます。

それでも、彼女は男に恋をしてしまったのです。

そして、女は自ら命を絶ちました。

あの日、男が女の願いを受け入れ、写真を撮ったとしても、女は同じように命を絶ったのではなかろうかと思います。


そして、作中の女です。

役名が女のところまでは、彼の記憶にある女ではあるのですが、?になってからは女ではなく、男の創り出した女、男自身の影みたいな。良い言い方が思いつかず、申し訳ないです…。

あの「?」が言っているのは、男が自身も分からないぐらいの奥底で思っていることです。

なので、男からしたら自分自身だとは思えないため、何を言っているのか分からないし、聞きたくもないことを言ってくる嫌な存在でしかありません。

注意点で声を変える必要はないと書いたのですが、雰囲気は変わります。

口調も変わっているけど、でも女の見た目で、女の声で話してくるのは、さぞかし不気味な気がします。


いつか旅路の果てで男に会えたら、女は一体何を口にするのでしょう。




④まとめ

楽しいし、あまり書いたことのないものを書けて満足なのですが、文章やお話が分かりにくく、?がたくさん浮かぶ台本になってしまったような気がします。

でも、それはいつものことだなって今、これを書きながらそう思いました。

いつも通り、読まれた方の中で一人でも好きだなって思ってもらえたら嬉しいな。



ここまで読んでくださってありがとうございました!

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以上、なずなでした。 


薺箱

ー薺箱ー なずなが創作した 物語が詰め込まれた箱

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